雑誌週刊SPA!で興味深い記事を見つけました。
その名も『俺みたいになるな!6000万円を失った「投資のしくじり先生」の特別課外授業』
そこには沖本氏がFXで6000万円を失った顛末が書かれていました。
沖本氏がトルコリラに注目したのは、’13年のこと。金利だけで生活ができればとの考えから選んだ選択だった。
「50円台で90万通貨購入し、口座には1800万円入金しました。当時、一万通貨あたり一日80円スワップがついたので、一日7200円、年間270万円入る計算でした。ところが、大事なことを見落としていたんですね。トルコリラは’08年に90円台となって以降、下落し続けてきたという事実を」
FXで金利生活を目指すと必ず引っかかるトラップがトルコリラです。
かつてこれほどまで多くの人を破産に追い込んだ通貨を私は知らない・・・。
スワップ目当てでトルコリラは買ってはいけません。
高金利通貨は長期的には下落するという基本を忘れていたでも書きましたが、10年前は90円だったトルコリラも今では29円まで下落しました。
決して手を出してはいけない通貨なのです。
しかし、待ってください。いくらなんでも6000万円は言いすぎでしょう。
59円で90万通貨トルコリラをロングしていて、たとえ29円になっても損失は2700万円です。
ちょっと計算がおかしくはないか!?
FX口座の証拠画像も出ているのですが、そこでは-2000万円になっているし、不思議です。これはSPA!の飛ばし記事でしょうか。
沖本聡氏はスワップ派が参考にすべきしくじり先生だった
よくよく記事を見ると、今回のトランプ相場で2000万円の大損失と書かれていました。
では、6000万円というのは何なのかと思ったら、2015年のチャイナショックで4000万円負けていたようです。
『チャイナショックで僕が4000万円負けた理由』という記事に詳細が書かれていました。
豪ドルは200枚も持っていれば、一日で1万2000円のスワップポイントが付きます。これが月30日なら36万円、十分暮らせていけるだけの稼ぎになる。
豪ドルがどんどん上がっていって、スワップもたくさん入ってくる。こうなると勘違いしちゃうんですよねえ。’14年の11月20日に豪ドルは102円まで上がったのだけど、僕はもっと上がると思って200枚、2億円分を買い増した。ところが、とんだ高値掴みでした。ここをピークに落ち始めていくんです……。
そもそも沖本さんが「金利で生活する」という夢を抱くようになったのは、バブル期の経験からです。
この時代の郵便局の定額貯金の利息はなんと8%!
まるでトルコリラや南アフリカランドです。日本にもこんな時代があったんですね。今では0.010%ですけど。
私も小学生時代にジャンプで読んだこち亀で、部長が両さんに1億円あれば利息で生活できると説明していたのを強烈に刷り込まれています。
同じ記憶がある人も多いようで、日本人のスワポ好き、金利好きはここに原点があるのかもしれません。
ところで、豪ドルを200枚買うという思い切ったことをしていますが、とても買う気にはなれません。
なぜなら、私がFXを始めた頃だと月30万円のスワップポイントを得るのに必要なポジションは60万通貨ほどでした。それを知っているとねえ・・・。
考えてみるといい時代でしたね。値段もまだ80円以下だったのでその時にレバレッジなしで仕込んでいれば、マジで金利生活も可能でした。
リーマンショック時の暴落にも耐えて持ち続けていれば、いまだにお宝ポジションですよ。
しかし、沖本さんが買った102円というと豪ドルのほぼ最高値ですね・・・。そこで全力買いしてしまうのは運が悪かったとしか言えません。
でも、15円下がっただけで強制ロスカットになるのは、レバレッジをかけすぎですよね。
もしもこれが単なる外貨預金だったら、ひたすら耐えに耐えてアベノミクスで円安な時代に売り抜けることも可能でした。
FXはレバレッジがあるのが良い面でもあり、悪い面でもありますね。
まとめ
FXのしくじり先生沖本さんに学ぶことは数多いです。
・高値圏では買ってはいけない
俗にいうお宝ポジションを狙いたいですね。例えば、豪ドルなら70円台、米ドルなら100円以下です。またそこまで円高になることがあれば、迷わず買いたいです。
・全力買いしてはいけない
ポジションは地道に作っていくものです。一気に買わずにチマチマと。証拠金が貯まったら買うくらいで。○○ショックと呼ばれるプチ暴落の時に買い増すくらいでちょうどいいと思います。
・トルコリラは買ってはいけない
何度もいいますが、あえて買う必要はありませんね・・・。
・愛妻に投資のことを話す
沖本聡さんのプロフィールには毎回「愛妻はこの事実を一切知らない」と書かれています。
いやいやいやいや、投資のことを話していたらここまで損失広がらなかったんじゃない!?